2012年4月9日

I want...




ブラッドリー・マニング 

ブラッドリーが西ウェールズから故郷へ戻ったときも
彼のオクラホマ訛は消えていなかった
ピックアップトラックに寝泊まり、彼の魂は穏やかならぬ
母に出した手紙には「母さん、いまじゃ僕は誰でもない存在だ」

どうして悪漢たちが大手を振って歩けるのか 想像し難いことだったが
ブラッドリーはそれがいかさまの上に築かれているのを悟る
彼は自らの意志の下に教育を求め
GIビルのために軍に入隊をした

“I want…”

今日ブラッドリーの前に現れる奴らは
匿名でいたがる、自分たちの不名誉ゆえに
奴らは、ブラッドリーはびびって小便を漏らしていたなどと噂をまき散らすが
もしそれが本当だとしても 俺は何の気にもしないさ

イラクからリサイクルされ、フォートドラムへの転属
ブラッドリーのボーイフレンドは 彼にトリステオンを紹介し
マサチューセッツ工科大学のハクティビストたちと知り合いに
「あてど無くでもあちこち求めてぶらつけば」「最後には僕と似たような人たちに」

“I want…”

イランとの国境近くのハンマー前進作戦基地に配属された
それは貨物コンテナと全くの退屈から築かれた場所
悪漢たちは基地から殺戮に繰り出し、こんなことを言っていた
「俺たちにゃここで言ってやることがある: 糞どもが坂を転げ落ちていくぜ」

休暇でボストンへ戻ったが 彼のボーイフレンドは消えていた
ブラッドリーは彼のフェイスブックに書き残す 「僕には本当の家がないんだ」
プログラムがロードされ起動していくのを前にして、彼は暴き出してゆく
「ブラッドリー・マニングは機械の部品なんかじゃないんだ」

“I want…”

付箋にパスワードが書き込まれ
それがパソコンのスクリーンに貼付けられている中を、ブラッドリーは燃え上がる
貯蔵庫で椅子にその文字を記しているところを見つかったが
ブラッドリーはまれにみる情熱をもって そこに ”I want…”と刻んだ

そして彼はこの12月に軍事予備審問にかけられる
荒削りな情熱よりも 暴力の方が優れていると証明するために
今日ぼくらが “I want…” と口にするとき、ぼくらは彼の椅子を思い起こす
ブラッドリー、君にはたくさんの仲間がいると知ってほしい、たとえそこに閉じ込められているとしても

(written by Cass Mccombs)
 

以下のサイトを参考にして訳しました。
・SoundCloud :DominoRecordCo's page (歌詞・試聴)
http://soundcloud.com/dominorecordco/cass-mccombs-bradley-manning

・the guardian
http://www.guardian.co.uk/world/2011/may/27/bradley-manning-us-military-outsider

・Translators for Peace
http://www.tup-bulletin.org/modules/contents/index.php?content_id=970

・JANJAN (GIビルについて)
http://janjan.voicejapan.org/living/0910/0910191892/1.php

*もしも大きな誤訳があったら本当にすみません。
 わかる方があれば、教えていただけると嬉しいです。
 












*1
米国オクラホマ生まれのブラッドリー・マニングは、
2001 (13) に両親の離婚後、母の故郷である西ウェールズに移り住むが、
2005 再婚した父を頼って帰郷する。
しかし、継母・その子供との悪関係から家を飛び出して、友人宅を点々としたり、トラックなどで寝泊まりする。生計は、レストランや珈琲ショップなどの仕事で立てて暮らした。
因にこの頃に彼は自分がゲイであることを自覚し、オープンにしている。

*2
マニングは、コンピューターを使った仕事に就きたいと望むが、その為の身分がなかった。
そこで、大学教育を受けるために入隊し、GIビルの制度を期待する。

*3
フォートドラムは、ニューヨーク州に位置する。
そこで初めての真剣な恋人ができる。名前はタイラー・ワトキンス。
彼が紹介したトリステリオンとは、彼が通う大学にあるゲイやレズビアン、バイセクシュアルやドランスジェンダーの集まる組織。
またMIT(マサチューセッツ工科大学)で知りあった友人とは、ダニー・クラークというハクティビスト。MITには優秀なハクティビストが大勢いることが知られている。

*4
ハンマー前進作戦基地に赴任した兵士たちには、米軍ヘリによる無差別射撃の模様などを記録した映像を「the war channel (戦争チャンネル)」「war TV (戦争テレビ)などと呼び、娯楽にしている者がいた。
SIPRNet に保存されたそれらの記録のセキュリティーは甘く、兵士たちは各自のパスワードを付箋に書き残し、パソコンのスクリーンにはりつけたままにしている者もいた。
ブラッドリー・マニングは、こういった映像や機密文書をウィキリークスを通じて世界中に漏洩したとされている。

*5
軍事予備会議は、201112月に行われ、
2012112日、軍事裁判を行うべきだという勧告が下された。
決断日程は未定とのこと。

0 件のコメント:

コメントを投稿