2018年8月19日

My Country (訳詞)



私の祖国 (ランディニューマン)

昨日に帰ってみよう
電話が一回10セント
ニューオリンズならたった5セントだった頃
針を巻き戻してみよう
針を巻き戻してみよう

ある部屋に、窓がひとつ
ソファに、椅子が何脚か
テレビが夜に灯っている
ひとりの女性と、ふたりの子どもたちが腰かけ
男がそばで寝転んでいる
かれらの顔が、灯りでうっすら膨らんでみえる

これがわたしの祖国
これがわれわれ庶民
これがわたしの理解している世界
これがわたしの祖国
これがわれわれ庶民
かれらのこと、手に取るようにわかるよ

何か言わなきゃいけない時は
テレビに向かって跳ね返すようにしゃべる
わたしたちは画面を見る目を、そむけられない
自分たちの姿がどんなだか互いにわかっているから
どういうことかわかるだろ
ほかにやり方もないんだし

わたしたちにはお笑いが、悲劇が、
AからBまで、あらゆるものがある
ひとの暮らしを鑑賞して
ひとが演じるのを観て
ひとの音声がわたしたちの気持ちを埋めている
感謝していますよ、神さま

秘めた気持ちは打ち明けられぬまま
たぶんそれが一番いいんだと思う
深く掘り下げてしまうと、もしかすると
あなたは何か見つけてしまうかもしれない

これがわたしの祖国
あれはわたしの同胞
かれらのそれこそ、わたしの理解する世界

ある部屋を描こう、窓はなく
ドアは戸外に通じている
男が床に広がった毛布に寝転んでいる
その向こうに、三人の大きくなった息子たち
画面に向かって喋りかける
そのテレビの、世界ぜんぶのような大きさ

子供たちはいつになっても子供たち
大人になったいまもそう
かれらが君に喋りかけるときには
かれらがそうしないといけないように、君も聞いてあげよう
いまのかれらはそれぞれの暮らしがあるし
それぞれのテレビがある
けれど、何はともあれ今も訪ねてくる

あの子らのことが大好きなのと同じくらい
いつも嬉しくなってしまう、あの子らがうちから去っていくと

これがわたしの祖国
これがわれわれ庶民
これがわたしの理解している世界
これがわたしの祖国
これがわれわれ庶民
かれらのこと、手に取るようにわかるよ
かれらのこと、自分のことのようにわかるよ


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