2016年4月29日

ギター製作#4

ボディーの削り出しが始まっているとのことで、
見学させてもらいに行った…つもりが、自分でも削ることに。
仕上がりに直接反映はされない箇所らしいけど、
とはいえやはり緊張しました。
「これでギターに命が吹き込まれましたね」と、
ダルマに片目書き入れるような感じか(やったことないけど)。
とにかく、毎回貴重な体験をさせてもらっています。

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久々にプロトタイプと再会。
奥にあるのは、中川さんと奥さんの共作のエオリアンハープ。
奥さんは木版画家で、阿倍野区で教室もやってます。



製作中のトップ材。
まだこれからだいぶ削り出すそうですが、
アーチが浮かび上がってきていて、わくわくします。
こういう形状ってヤスリみたいなもので作っていくと思い込んでいたけど、削りがメインなんですね。
バイオリンなんかは、ほとんど削りだけであの形をつくるらしい。ギター製作よりも、しきたり・制約が厳密みたいでその話も興味深かった。

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バック材のウォルナット。
上にあるのは、別のギターのプロトタイプ。












このギターは、並行して製作中のヘッドレスのアーチトップだそうです。
訪れるたびにこちらも進行しているので、だんだん親近感がわいてくる。
同期生ですね。
ある大好きなギタリストがヘッドレスのギターを使っていて、
いいなーと憧れていたものですが、その話はまた後日。















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コーヒーを飲みながら雑談を挟んでいると「じゃあ削ってみましょうか」
あっというまに準備。


 



そして練習。
木を削ったのは、中学校の技術の以来な気がする。CDラックを作って、いまでも実家で使っています。特別大事なアルバムを収めていました。
はじめはおそるおそる。次第だんだん勢いが増すが、勢いあまって削ったら駄目なところもやってしまいそう…
日常での瑣末な失敗の顛末がよぎり、さすがにここで失敗したらえらいことなので、
早々と道具をお返ししました。























などと、こうやって製作の過程を参加すると、
多少はやる気持ちもありはするが。

"神は細部に宿る" とは誰の言葉だったか、忘れてしまったけれど、
これまで知らなかったギターの背景・細部を知るにつれ、
自分の考えも及ばない昔から育ってきた木々を自分の楽器にさせてもらうことに
敬虔の念のようなものも抱きます。

最後にボディ木材を抱えさせてもらうと、
プロトタイプのころになかったずっしりした重みが。

自分が演奏するとき、この木を削ったときのことを忘れないようにしようと思う。




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