2023年10月29日

ライブ演奏の、日記風な反省会

10/28(日) は森田雅章さん企画のライブに出演。森田さんとのデュオ、 オデッサの林檎のギタリストとして。森田さんはarp2600というシンセサイザー。

ユニット名はあるけど森田さんがいつの間にか決めていたものだし、演奏の決め事も一切なくて打ち合わせもしない方針だしで、何も準備する(できる)ことがなくって「ライブまでどう過ごしたものかなー」という感じだった。その点ギターの弾き語りは、素振り練習みたいなのが明確にあって単純明快で安心感あるよなとつくづく思う。とはいえ、それなのにちょっとしたその時の心持ちとかで歌の表情ってガラッと変わることもあって、弾き語りは弾き語りで奥深いものなのだが。まあ、それは別のはなし。とにかくこの日はあらかじめのちょっとした取り決めのひとつもなく、本当に即興だったのです。

前回の日記に詳しいスペースオーでのひよっこ思い知り以来、ちょっとしたアプローチの変化(素振りじゃなくて根本的に新しい練習方法)を試してみて、どうだったか?うまくいったところも案外あった気がするし、まだまだなところももちろん。だが、終わってからも"楽しかったなー"という感覚がわりとあって、演奏中も「あ、いま森田さんとちょっとシンクロした」みたいな瞬間があった。

今回もオーのときと同じ機材たっぷり仕様(数えたらエフェクター11個もあった)だったのだが、見るべき機材が多いことで自分の手元ばかり見てしまうのがセッション相手とのシンクロ率低下を招く阻害要因第一位だなとあの日感じたので、今回はなるべく森田さんの動きをみるようにしていた(結局自分の手元もみざるを得ないのだが…つまみだらけなので)。もちろんそもそもすばらしい耳があれば、視覚情報があろうがなかろうが問題ないのかもしれないけれど、とにかく自分にはないのだから、小手先かもしれないがなんでもやってみようなのだ。(…と書き綴っていて、うーんいかにも社会生活で得た知見という感じだ。それが良いのか悪いのか…)

結果はそれなりにうまくいったのかも。森田さんがめっちゃ踊っているのをみていると楽しくなってきて「あ、自分もこの動きに合わせば楽しくなりそう」と思えて。森田さんはいつでも私の堅い頭をほぐしたりかち割ってくれる。つられて一緒にシャウトまでしてしまった、なかなかに求心力が強いひとなのかもしれない。即興演奏にある"あそび"の醍醐味もちょっとだけ味わえたかも。「かも」ばっかりやな。

あそび感味わえたのは、ちょっとお酒が入っていた影響もあるかも(また「かも」!)しれないけど、お酒は意図的に入れてみたのでした。演奏前の飲酒、弾き語りにおいてはほぼ良いことなしと思うけれど、即興にとってはもしかすると良いのかもしれないと思ったので。それは、"即興全般において" ということではなくて、"自分が即興をするにあたって" という意味で。

私は 

"ちゃんとしないと…うまくやらないと…" という気持ち、

いや、もっと正直にというと

"ちゃんとしていると思われたい" 

みたいな承認欲が非常に強い自覚があるので、それを鈍らせるためのツールになるんじゃないかと思って。もちろん承認欲求一点における判断能力だけじゃなくて、色んな演奏における判断能力も低下していると思うのでトレードオフなのかもしれないけれど、まあとにかく「今回はそんな悪い取引じゃなかった」という感じだ。もちろんその判断自体がお酒で歪んでいる可能性もあるが。それに、いつまでもこんな取引やっていたら本当のところ何も成長しないので(我ながらすごく西洋的な発想だ)日頃の練習の中で根っこから変えては行きたいと思う。それまでは姑息なライフハックで乗り切るしかない…

それから、視覚情報と集中力の阻害ということで言えば、それは自分のことだけでなく、見る人の側にもある問題で。私が忙しそうにつまみをいじいじしていると、観る人もそれが気になって音楽に入りにくくなっているだろうな、と改めて感じた日でもあった。機材とかギターが好きな人は、まあそれをみることで面白がれる場合もあるだろうけど。つまみ触るスタイル自体を変えることはできなくても、ちょっとした所作ってのはすごく大事だと思った。その点、この日最後に演奏していた宮本隆さんという方は動きがエレガントだなーと思いながらみていた。細かいパッセージを弾いていても、なんか4Kのハイファイな映像みたいな、妙にぬるっと滑らかな動きに思えた。単純に技量的なものもあろうし、それだけではない落ち着きもあろう。エリッククラプトンのスローハンドという異名って、こんな感じのことかなとか思ったり。あまりに早く動くので動きが止まって見える、みたいな意味らしいですよ(少年漫画の世界かい)。でも、漫画の世界なのは私の方で、私の動きは、たぶんパラパラ漫画ばりにせかせか荒い動作なのだと思う。頭で色々認識しないと動けなくって、認識した時にはもう動作が間に合わなさそうだから急いで動く、そんな感じ。この辺りはある程度素振り練習がモノを言う余地があるかもしれない。次のライブの課題だなーと思った。

このほかにも、ライブで出会った方と話したりして色々感じたこととかたくさんあるのだけど、とりあえず記憶が新しいうちに自分のための覚書だけ残してみました。だれかこのブログまだ読んでるのかな。読んでなさそうだからこうやって好き勝手に書いていられるわけだけれども。

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